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Roamers Space: ブロックチェーン基盤プラットフォーム「Hypersphere」企業向けサイバーセキュアクラウドを提供

Roamers Space: ブロックチェーン基盤プラットフォーム「Hypersphere」企業向けサイバーセキュアクラウドを提供

こんにちはwasabiです。

ブロックチェーンシステムの活用についてよく議論となるのが、情報のオープンソース性とセキュリティの矛盾です。

誰にでも閲覧できる情報を分散させるという概念を持つブロックチェーンは、得られる利便性の一方で、近年大きく問題となっているプライバシー侵害の恐れと紙一重な部分があることが指摘されています。

せっかくいいところがあると分かっていても、完全に情報をオープンにすることでリスクが高まる業界が多いことは否めません。

しかし、ブロックチェーンにはパブリック型(公開型)とパーミッション型(許可型)の2つの形があり、限定的な範囲内でブロックチェーンを活用することも可能です。現在は実用性の面でも実現性が高いとされるパーミッション型ブロックチェーンの活用に注目が集まっています。

そして、温暖化現象、大気汚染など環境に対する意識は年々高まっており、ブロックチェーンがマイニングにおいて大量の電力を必要とすることから、ブロックチェーンプロジェクトが持続可能性のあるビジネスモデルかどうかも見られるようになっています。

「HyperSphere」はシンガポールを拠点にブロックチェーンを活用した分散型のサイバーセキュアクラウドを開発している企業。HyperSphereはこれら現状のブロックチェーンが持つ課題をクリアした実現性の高さを持っています。

彼らの技術は主に企業内部で一定の秘匿性を保つ形で使われることを想定しており、コイン発行の技術では環境に配慮した仕組みとなっていることが特徴的です。また、もう一つ特筆すべきはHyperSphereはパーソナライズされたマルチツリーブロックチェーンを用いていることです。つまり、チェーンの長さと容量が削減され、素早いトランザクションが可能になっています。

例)医療研究における研究依頼、タスク送信から支払いまで一括

HyperSphereは実に多様な用途と特徴を持った可能性あふれる技術と仕組みを提供しています。技術面の特徴に入る前に、まずHyperSphereでどんなことが実現できるのか、わかりやすい実例をご紹介します。

例えば医療研究機関が各研究機関に研究を依頼する場合、HyperSphereが提供するブロックチェーンに基づいたシステムを使ってサンプルタスクを安全な方法で各研究機関に分散送信することができます。

そして研究が完了した際は、各研究機関は研究依頼を受けた大元の医療機関に研究結果データを安全な方法で送信できます。

その後大元の医療機関は、研究依頼をした機関に対してHyperSphere上で支払いも可能です。つまり、HyperSphereは機密データの送受信を安全に行うことが可能であり、そのプラットフォーム上で支払いもできることが1つの大きな機能的な特徴となります。

それでは、なぜHyperSphereが安全なのか?その鍵となる特徴は大きく分けて4つです。

サイバーセキュアクラウド「HyperSphere」の特徴4つ

1.分散型ネットワーク

個別のデバイスによって生成される分散型のネットワークです。

2.DyDAGブロックチェーン

アイデンティティトラストチェーンを経た「個別ツリー」を含むマルチツリーブロックチェーンです。

3.SDNP

HyperSphereはSDNPと呼ばれるデータの送信プロトコルを使います。これは、データ送信者の情報とデータ受信者の情報の匿名性を双方に保てる技術です。分散型ネットワークによってデータ送信を多数回中継することで最終的なデータ受信者の匿名性が高くなります。まず、SDNPはデータを分解してから暗号化し、バラバラのシーケンスの異なるルートを介して受信者に送信します。そのためハッカーが攻撃中にデータに到達できたとしても、断片化されたコンテンツのみが受信され、ハッカー攻撃は無意味となります。SDNPプロトコルはHyperSphereが2年前に独自開発をし、2019年には特許を取得しています。

4.HyperID

全ての取引が本人によってなされているという本人認証をする技術です。

実態に伴う価値を保証するデュアル・トークン・エコノミー

また、HyperSphereの特筆すべき点として「Dual Token Economy(デュアル・トークン・エコノミー)」が挙げられます。これは現状のブロックチェーンプロジェクトで指摘されるありがちな問題を解決します。

ブロックチェーン技術に基づいた仮想通貨は、現状投機目的で参入する投資家も多く、ボラティリティ(変動性)が高いため安定的なサービスを提供するにはまだまだ課題があると言われています。例えば通貨を発行している企業が実態を伴わないビジネスをしているにもかかわらず通貨の価値だけがいたずらに高騰/暴落することによって実際のサービスへの支払い時に価値の大きな変動が起きてしまう可能性があります。

例えば、クラウドで写真を保存するために10GBの容量を10トークン支払って1ヶ月分購入したとします。しかし、もし1ヶ月後にトークンの価値が50%上昇すれば、同じサービスを購入するためには50%増のトークンで支払わなければなりません。逆にトークンの価値が50%低下した場合、企業側はサービスを提供しても採算が取れないためサービス自体提供できなくなる可能性があります。

2018年には多くの仮想通貨の価値が90%低下するという事態が起きました。サービスの支払いに使うためのコインの価値と株価が一緒になっている状態では安定的なトークンエコノミーとは言えません。

しかしHyperSphereのデュアル・トークン・エコノミーでは取引所で取引され、企業価値の成長を反映するセキュリティトークンと、クライアントが常に取得できるサービスの量を保証する内部ユーティリティトークン(支払い方法)の両方に基づいているため、ユーザーが受けることのできるサービスの価値が大きく変動することを防ぐことができます。実態のある価値に基づいているため、長期的に継続可能な経済のバックボーンが実現するのです。

デュアル・トークン・エコノミーを構成する2つのトークン

デュアル・トークン・エコノミーはHyperMetal(ハイパーメタル)とHyperCoin(ハイパーコイン)と呼ばれる2つのトークンによって構成されています。

HyperSphereの経済システム図表

HyperMetalは、HyperSphereのエコシステム内のサービスに対する支払いとして使用される内部ユーティリティトークンです。たとえば、HyperMetalを使用して、安全なクラウドストレージ、コンピューティングリソース、HyperSphere内の他のサービスの場所を借りることができます。

HyperCoinは従来のセキュリティトークンであり、取引所での取引に使用で可能で、システム全体の価値を反映します。

デュアル・トークン・エコノミーの仕組み

それでは実際この2つのトークンがデュアル・トークン・エコノミーでどのように機能するのでしょうか?その仕組みはこうです。

まずリソースプロバイダーによってHyperCoinsが獲得され、契約を実行します。これはHyperContract(ハイパーコントラクト)と呼ばれ、契約完了時にはその報酬としてHyperMetalsから自動的にHyperCoinsが鋳造されます。

このように獲得または購入したHyperCoinsは、HyperMetalを取得するために溶かされ、市場での新しい契約の実行に対して支払うことができます。この「リサイクル」によって循環中のハイパーコインの供給を自然に制限し、安定性と持続可能性を高めます。

これによりシングルトークンエコノミーの価値の不安定性に起因する問題を排除し、売り手側とユーザー間の相互作用を促進することができるのです。

いかがでしょうか?個人的にはHyperSphereのブロックチェーン技術を使用し実用性の面で優れている点や安定的なトークンエコノミーを実現するデュアルトークンエコノミー、そしてセキュアな通信を可能にするHyperSphere独自の技術であるSDNPプロトコルが魅力的だと感じました。

HyperSphereはこれらの特徴を生かし、バーチャル銀行、バーチャルクレジットカード、ハッキング不可能なセキュアなウォレット、KYCによる詐欺防止、フィンテック内でのすべてのデータフローの管理(コンプライアンスや制度に沿ってデータを保存&送信)などフィンテック分野での活用も可能です。ブロックチェーンがまず真っ先に革命を起こす分野は金融と言われていますから、HyperSphereがどの程度フィンテックでの使用(特にセキュリティ面)を考慮した動きを見せるか注目しています。

詳細が気になる方はぜひウェブサイトとホワイトペーパーもチェックしてみてください!